大阪府泉佐野市

滞在コンテンツ造成実証事業
「ヘソ天バルーン」

犬の喜びを可視化するテクノロジーイベント

Mission

 

泉佐野市を「旅行してみたい街」に

泉佐野市はふるさと納税にまつわる一連の政策でその土地の魅力が全国に知れ渡った一方、観光で訪れる人は多くないという課題を抱えていました。私たちに求められたのは、たくさんの観光客が泉佐野市を旅の目的地にしたくなる施策です。

Idea

 

愛犬家と一緒になって、犬の喜びを可視化させる

まだ気づかれていない泉佐野市のポテンシャルを最大化するために、すでにある観光資源を捉え直すことからスタートしました。私たちが着目したのは、泉佐野市にある“犬鳴山”です。珍しい響きのその地名には、由来となった義犬伝説と呼ばれる犬の伝説が残っています。古くから犬の気持ちを大切にしたいという思いが継承されてきた街だからこそ、ペットツーリズムに焦点を当てようと考えました。

出典:『泉佐野何でも百科』; 泉佐野市役所;1994年;61ページ

議論を進めるうちに、犬を飼う人たちはある課題を抱えていることに気づきました。特に日本では、犬とその飼い主は移動の自由が制限されている、といったことです。たとえば公共交通機関や、愛犬と一緒に入店できる飲食店など、本当は家族の一員なのにともに過ごすことがままならないのが現状です。目を向けてもらえていない愛犬家たちの悩みごとをともに考え、犬を喜ばせたい街だと知ってもらえたら、愛犬家が訪れたくなるのではないかと仮説を立てました。

そこで実施したのが、犬の喜びを可視化するイベントです。

犬が喜ぶことといえば、おさんぽ。おさんぽするほど、無防備に喜びをさらけだした姿をモチーフにした「ヘソ天バルーン」が大きくなります。犬の喜びを大切にする街に、象徴的に出現するヘソ天バルーン。

これを実現させるにあたり、デジタルクリエイティブエージェンシー 株式会社アタリの協力のもと、リードにつけたIoTデバイスでおさんぽした距離を算出し、その距離に応じて、巨大な犬型バルーンに空気が入る仕掛けをつくりました。

イベントは「犬と人の幸せな旅とは?」をテーマに、動物愛護デーの翌日となる2023年3月21日に実施。当日はペットツーリズムの可能性を探るアンケートを収集。「犬と人の幸せな旅とは?」について考えるきっかけとなるポスターを掲出しました。

Result

 

犬コミュニティと接点をつくることで見えた、観光都市としての可能性

イベントは1dayで100人を超える愛犬家と犬が参加しました。開場前から犬の遠吠えが聞こえ、オープンと同時に20名ほどが行列をつくり、終日大盛況でした。デバイスを手に「かわいい」「楽しい」とおさんぽする姿が見られ、「またこういうイベントを開催してほしい」といった多数の声もいただきました。

そして、私たちが驚いたのは、アンケートに答えた344人のうち、「泉佐野市がペットツーリズムを推進したら、泉佐野市に旅行で行きたい」と答えた人が約95%という結果でした。今回のイベントとアンケートによって見出せたペットツーリズムの可能性を広げていくために、収集できた愛犬家たちの本音に寄り添い、泉佐野市が魅力的な目的地になれるよう、取り組みを続けていきます。

Client大阪府泉佐野市
Year2023
Credits

Creative Director:淺井勇樹
Strategic Planner:鮎川幹
Art Director:加納彰
Copy Writer:青木美穂
Activation Planner:佐藤怜
Account Executive:北澤圭吾/筧麻由子

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