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インタビュー・対談 【インタビュー】 ソニー 「VLOGCAM™️ ZV-1」 スペシャルサイトに込めた想いとは? 【インタビュー】 ソニー 「VLOGCAM™️ ZV-1」 スペシャルサイトに込めた想いとは?

【インタビュー】 ソニー 「VLOGCAM™️ ZV-1」 スペシャルサイトに込めた想いとは?
CLIENT
ソニーマーケティング株式会社
DATE
2021.04.05
  • 工藤康平
    ソニーマーケティング株式会社
    コミュニケーションデザイン部
  • 河原敬士
    株式会社フロンテッジ
    コミュニケーションディレクター/デジタルプロデューサー

ソニーマーケティング株式会社が販売する、Vlogのために生まれた「VLOGCAM ZV-1」。日々動画を制作しているインフルエンサーを複数起用し、スペシャルサイト“UP!ME セカイにジブンをアップしよう。”を展開しています。2021年3月某日、その狙いや今後の展望について、このプロジェクトを牽引したソニーマーケティング株式会社コミュニケーションデザイン部 工藤康平氏にお話を伺いました。

「VLOGCAM」のプロジェクトが異動して初めての仕事でした

― はじめに、工藤さんの今までのお仕事の経歴や、現在の業務を教えてください。

私はこれまで、出版社のWEBメディアのコンサルタントとしてメディアに関わることで、生活者の考えや動きに直接触れる仕事をしてきました。

そして、現在のソニーマーケティング株式会社へ転職。カメラカテゴリのコミュニケーション戦略の立案&実行がミッションです。開発・製造した製品の良さを一人でも多くの人たちへ届けます。実は、この「VLOGCAM」のプロジェクトは、ソニーマーケティングでの本格的に取り組む初めての仕事でした。

“Vlog撮るならソニー” という意識を形成したい

― 今回のプロジェクトが生まれた背景や、事業/マーケティングにおける狙いは何でしょうか。

「VLOGCAM ZV-1」はコンパクトデジタルカメラの外観をしながらも、静止画に加え、今流行りのVlogを始めたいという人に向けて、動画撮影機能に注力し開発された、新しいコンセプトの製品です。今までのカメラ製品は静止画がメインでしたので、これまでとは違うお客さまにアプローチする必要がありました。ターゲットは、動画を活用して周囲とコミュニケーションする人たち。動画をSNSに投稿する方はもちろん、SNSにアップせずに、デバイスの画面で友人と動画を視聴する方を含みます。よって、コミュニケーション施策は、コアなターゲットがいるYouTubeやInstagramを活用する方向がみえてきました。

ソニーには、デジタル一眼カメラ α(アルファ)やデジタルビデオカメラ ハンディカム、アクションカムなど、撮影する人の目的に合わせた製品カテゴリがありますが、「VLOGCAM」は、新しい製品カテゴリとして立ち上がりました。現在日本ではVlogの文化が形成され始めています。その市場を盛り上げていきたい。生活者へ、Vlog撮るならソニーという意識を形成し、さらには、「VLOGCAM ZV-1」という製品まで想起してもらえる状態にするのが今回のプロジェクトの狙いでした。

インフルエンサー施策は短期で拡がるもの、そして、業界からの反応に驚いた

― 具体的な施策として、インフルエンサーを起用した動画コンテンツをスペシャルサイトで展開しました。効果は期待通りでしたでしょうか。

まずターゲットを2つに分けました。すでに動画を楽しんでいる人と、これから始める動画初心者の方です。起用するインフルエンサーによって、ターゲットへのアプローチ方法を調整しました。

この2つの層の方々にアプローチするために、YouTubeやInstagramで活動しているインフルエンサーに協力してもらい、各プラットフォームへ「VLOGCAM ZV-1」の情報が波及することを狙いました。結果は、期待以上。インフルエンサー施策において、特徴的だったのは、短期間で各インフルエンサーの動画の視聴回数が増加したことです。情報の拡散は圧倒的に速かったと思います。特にコミュニケーションが難しいだろうと予想されたスマホで動画撮影しているライトな層にもしっかり情報を伝えることができました。

さらに、動画をすでに楽しんでいる(制作している)クリエイターのみなさんへ、「VLOGCAM ZV-1」の情報がYouTubeやInstagramの枠を超えて伝わっていったことも驚きでした。というのも、インフルエンサー施策をきっかけに、口コミでも話題になっているという話を私が何度か耳にしたからです。実行したコミュニケーションに対して、世の中の反応を実感することができました。

カメラカテゴリのコミュニケーション施策におけるひとつの“型”となった

― 今回のプロジェクトはフロンテッジがお手伝いさせていただきました。実際に当社とお仕事をしてみて、どのような印象をお持ちでしょうか。良かった点、苦労した点など、エピソードがあれば、お聞かせください。

従来のカメラカテゴリのプロモーションは、プロとして活躍されるカメラマンに製品を使っていただき、写真の素晴らしさを伝えていく手法が多かったのですが、「VLOGCAM ZV-1」のプロモーションは、少し違いました。今回のプロモーションは主にYouTubeやInstagramなどで活動されるVloggerの方々に協力してもらい、映像の魅力を伝えるという手法で、あまり実績がない取り組みでした。

また同時に、新しい製品カテゴリの立ち上げということで、必要な制作物や、実行すべき施策が多岐に渡ることも予想されました。この幅広い業務の遂行と、新しい施策へのチャレンジを一緒になって実行してくださるパートナーとして、2019年からご一緒していて実績のあったフロンテッジさんを指名させてもらいました。

私が異動してきたのは昨年の2020年4月。「VLOGCAM ZV-1」のプロモーション設計は、私が異動してから初めての仕事でした。個人的に新しい環境に適応するため大変だったころ、受発注の関係ではありますが、フロンテッジさんは伴走してくれる印象を持ちました。インフルエンサー施策の経験がなかったため、表現規定や連絡手順など、一つ一つしらみつぶしにチェックして、一緒になって制作進行しました。インフルエンサーへ出演をお願いするメールの文章を私が作成したり(笑)。そして今、このインフルエンサー施策は、カメラカテゴリのコミュニケーション施策における、ひとつの“型”となっています。

苦労した点は、起用予定だったインフルエンサーが急遽出演NGとなったこと。フロンテッジさんが事務所と交渉し、代替案をすぐに探してくれました。ところが、代替案は決定したのですが、今度は新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言で撮影が延期。その後、初めてのリモート撮影(当時)で何とかピンチを乗り越えることができました。

日常を切り取った動画を楽しむ文化をつくっていきたい

― 最後に、「VLOGCAM ZV-1」の今後の展望を教えてもらえますでしょうか。また、工藤さんがマーケッターとして挑戦してみたいことをぜひお聞かせください。

「VLOGCAM ZV-1」は、製品のリリース当初から、YouTuberさんなどから評判を得ることができました。この製品はYouTubeやSNSで不特定多数のユーザーに公開しないまでも、撮影した動画を家族や友達とプライベートで共有して楽しむ方々にも是非使ってもらいたい製品です。より多くの方に「VLOGCAM ZV-1」の魅力を知ってもらい、日常を切り取った動画を楽しむ文化をつくっていきたいです。

私個人としては、ソニーという多種多様の製品やサービスを扱う会社に在籍しているので、他の製品やコンテンツ(映画や音楽など)とコラボできれば、もっと大きなコミュニケーションが実現できると考えています。他の部署で実施しているソニーグループとの取り組みをみると、ニュース性の高いコンテンツ開発などは特にやりがいがありそうです。これから新たに市場を創っていく製品は、従来の考え方にとらわれない新しいコミュニケーション手法が必要です。初期導入の難しさはもちろんありますが、成功に導けたときの達成感もひとしおでしょう。今後はさらにチャレンジングな取り組みができるといいなと思います。

インタビューを終えて

「Vlog撮るならソニーという意識を形成する」「動画を楽しむ文化をつくる」といった、マーケッターとして高い視座からの工藤氏の力強い言葉がとても印象に残るインタビューでした。また、インタビュー中に、会議室内の関係者やカメラマンから、「クリエイターの友人が、『VLOGCAM ZV-1』を使用していますよ」と告白が相次ぐことに。動画制作の現場へソニーの「VLOGCAM」が確実に浸透していることが判明し、大変盛り上がりました。「VLOGCAM」のますますの発展を期待したいと思います。

河原敬士
株式会社フロンテッジ
コミュニケーションディレクター/デジタルプロデューサー