MOTIVATION NOTE
プロデューサー

【米国現地レポ】新しい時代の統合コミュニケーション

アメリカにおけるビジネスとコミュニケーションの変化

「DX」「OMO」という言葉をよく耳にする。著しく高速でデジタルが進化し、世界中のビジネスモデルが再定義されるなか、コミュニケーションはどのように変化するのだろう?

私は、2017年からショールームやイベントなどを通じて、ブランディング活動をサポートするためアメリカ ニューヨークに渡米。当時、日本国内ではO2Oという言葉が注目されていたが、現地ではすでに次のフェーズへ進んでいた。デジタルファーストの思想や、データドリブンマーケティングの基盤が構築されていたことに驚いた。それから3年半のアメリカでの活動のなかで、大手百貨店が倒産するなど、市場の構造がダイナミックに変化し、よりOMO(アメリカではあまり聞かない)化が進みデジタルをベースとしたマーケティングが拡張していくのを実感した。

リアルは死んでいくのか?

リアルのロケーションやイベントを任された身としては、この潮流を頭では理解していても、どこか否定的に捉えていた。まるでリアルは死んでいくのか?そんな問いがよぎっていたころ、2018年にNY五番街にNike House of Innovationがオープンした。予備知識なしで入店しても、ストアとしてはすっきりして洗練された空間でブランドを十分に感じられる。しかし、ひとたびアプリを起点にすると、その空間はデジタルの世界と融合されている全貌が見えてくる。時を同じくして、ECの巨人AmazonがBooksや4 Start Storeなどのリアル店舗を展開し、Amazon Goが登場。入口で専用アプリのQRコードをスキャンして、欲しいものを手に取りそのまま退店するという極めて新しいCXとその戦略に驚いた。顧客視点で考え抜かれたCXで、様々なデータを活用してデジタルベースのカスタマージャーニーを構築していた。

当然ながらソニーをはじめ、多くの企業も形態こそ違うが、テクノロジーとマーケティングでオンラインとリアルの距離を有機的に機能させる動きがより活発となっていった。参考までにアメリカの小売り業界団体のレポートによると、小売り全体でECが占める割合は1割前後と言われ、つまり9割はオフラインでの消費行動がされている。スマホなどの技術が向上しオフラインの行動データを取得できるようになった。オンライン・オフラインのアセット融合させることで、その価値が飛躍的に上がることを確信している。

アップデートする統合コミュニケーション

これのような潮流のなかで、デジタルとリアルを単体で考える、もしくはリアルの派生としてデジタルをとらえるのではなく、統合されたコミュニケーションをデザインすることが重要だ。顧客主体で考えられたコンタクトポイントをいかに配置し、いかに選んでもらえるコミュニケーションを考え抜く。そして、デジタルもリアルも尺度が異なるが、常に分析改善しながら、その成果を統合していく。そのようは発想が求められる時代が訪れているのではないか。もちろん日本は日本の環境や条件があり、海外の事例が当てはまらないこともあると思う。ただし、新しい時代の本質は変わらない。そんな日本で次の時代の統合コミュニケーションを作るべく、挑戦していきたい。

PROFILE

ビジネスプロデューサー

グループの国内ブランディングロケーションの運営企画に従事。その後、アメリカNYでのブランドロケーション・イベントプロモーションを統括。2020年に帰任。フロンテッジ ビジネスプロデュースに所属。