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プロデューサー

【キャラクター化のルーツを探る】妖怪ブームは江戸時代から?

まだまだ、新型コロナの感染拡大は予断を許さない状況です。一刻も早い収束を祈りつつ、コロナ禍(withコロナ/afterコロナ)においては、私たちの日常にも様々な行動様式の変化が求められていて、私たち広告会社としては、その変化を的確に見定めることが重要ですが、個人的には、なぜだか最近妙に「妖怪」が気になってしまいました。

特に4月の感染拡大時期には、正体不明のウイルスへの不安からか、疫病を退散させるという妖怪「アマビエ」の話題があちこちで聞かれていました。また、緊急事態宣言発出時などのSTAY HOME期間中には、おうち時間にて、動画配信サービスなどを楽しむ時間も増えたことと思います。様々なコンテンツの人気が報じられる中で、アニプレックス制作の「鬼滅の刃」が大人気です。ストーリーはネタバレになるといけないので触れませんが、超ざっくりでいうと、心優しい主人公が「鬼」に立ち向かうストーリーです。少し前には、「妖怪ウォッチ」のブームも記憶に新しいところです。

なぜデジタル全盛のこの時代に、こんなに妖怪コンテンツがたくさんあって、しかも人気なんだろうか??と不思議に思い、その正体(?)を少し調べてみました。

西洋の妖怪との違い

まず、一口に「妖怪」と言っても、その範囲はとても広いのですが、世界、特に西洋圏でも妖怪はいるのだろうか?日本の妖怪との違いは何だろう?ということでみてみると。日本の妖怪と少しイメージは異なりますが、広く想像上の生き物とすると、日本だけでなく世界中にあると言われています。特に西欧圏では、フランケンシュタイン、ドラキュラ、魔女などがすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。妖怪と比べるとどちらかというと「怪物」的なイメージでしょうか。

日本の鬼もそうだと思いますが(日本の鬼を妖怪とするか、は諸説あります)、宗教的・道徳的な禁忌から作られているとされています。つまり、悪いことをすると、鬼がやってくるから、そうしないようにさせるための怖い存在としてイメージされたという説があります。

江戸時代の妖怪ブーム

一方、日本の妖怪の特徴は人間の理解を超える現象、自然への畏怖、闇への恐怖などによる現象を、妖怪によるものだとする、超越した存在あるいは不思議な存在をある種キャラクター化していることが特徴ではないでしょうか。かつては、やまびこ(こだま)も木の妖怪「木霊」によるものと考えられていたり、ぬりかべは夜に歩いていて前に進めなくなる現象からきたもの、という説があります。

また、妖怪ブームの発端は江戸時代からみられるそうです。調べてみたところ、江戸時代に災害や疫病などが流行した際、人知を超えた現象が妖怪の仕業として絵巻物などに描かれるようになり、さらに妖怪画が流行ったことから、様々なものを妖怪化(キャラクター化)して楽しむ風潮ができてきたそうです。

しかもキャラクター化することで多少の親しみさえも感じられていたような気もします。それは、古代においては、生物・無生物にかかわらず、自然物にはすべて精霊が宿っていると信じられてきたこと(「山の神様」「田んぼの神様」)になじみのある私たちに、神様がいたるところにいる「八百万の神」の考え方が根付いているからかもしれません(「サッカーの神様」「野球の神様」はたまた「トイレの神様」などなど)。

「古事記」から「ゆるキャラブーム」「鬼滅の刃」まで

そういう点では、身のまわりにある、自然(現象)や道具などを妖怪というキャラクター化するというのは、地域の特徴をキャラクター化する、今のゆるキャラブームにも通じる部分があるのではないかとも思います。これだけ全国津々浦々の自然や特産品などをキャラクター化して楽しむと言うのは、妖怪をキャラクター化して楽しんだ江戸時代のブームと通じるものがある気がします。

そう考えると、ゆるキャラブームや現在の「鬼滅の刃」、はたまた「妖怪ウォッチ」ブームなどは、江戸時代の妖怪ブーム、さらにずーっと遡って、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)や鬼が登場する「古事記」、「日本書紀」などが書かれた古代からも連綿と続く、人知を超えた現象や存在をキャラクター化してきた人気王道コンテンツの流れなのかもしれませんね。

おまけ

そういえば、私たち広告会社のまわりにも、「視聴率おばけ」や「ブランド認知率/好感度おばけ」などの人知を超えた妖怪が。。どこかに「ブランドのいいところをターゲットに吹聴してくれる妖怪」や「購入潜在層に向かって購入をそれとなくそそのかしてくれてコンバージョン率向上に寄与してくれる妖怪」いないかな?(笑

PROFILE

広報/ナレッジシェア

グラフィクデザイナーを皮切りに、セールスプロモーション、クリエイティブプロデューサー、クリエイティブマネジメントなどを経験後、永いキャリアと幅広い職歴?を元に現職。趣味/英検、TOEIC受験