MOTIVATION NOTE
プロデューサー

【ベースキャンプ・イベント開催】モチベーションがビジネスを変える! モノが売れない時代のコミュニケーション術

ソニーグループのボトムアップを目的とした取り組みであるベースキャンプ・イベント。2018年3月に産声をあげた同イベントは、非公式でありながら旬な事柄をテーマに掲げ毎月開催される他に類をみない稼働率とソニーグループ内外を問わずテーマに即した有識者を登壇者としてお招きするスタイルが人気を博し、来場者数は平均300人を超えるビッグイベントへと成長しました。

『人、組織を繋げて新たなきっかけを創出』することを目標に定めていた1年目が終わり、2年目を迎えた今年は、『仲間を作って動き出す人々を創出。チャレンジする人を応援』するということを目標に定めています。同イベントが会社や組織の垣根を超えた繋がりをつくり、そこから新たな取り組みが生まれるきっかけになれるよう、ソニーグループ内の繋がりにもより一層の力を入れています。

そのような背景もあり、今年はソニーグループの各社が主体となって同イベントを開催するケースが多く、第16回目を迎える2019年9月26日(木)、ソニーシティ大崎にてフロンテッジの主催による同イベントが開催されました。

ソニーグループの広告会社であるフロンテッジは、ソニーグループだけに限らず、国内外の様々な企業様とのお付き合いがあります。各企業が抱えている課題を解決するために、どのような施策を打ち出すべきかを考え、その解決策を導き出していくプロセスや考え方など、私たちにとっては業務の一環として当たり前のように行なっていることでも、「もっと話しを聞いてみたい」「どんな事をしている会社なのか教えて欲しい」と興味を寄せてくださる方たちが大変多かった事もその後押しとなり、今回のイベントが実現することになりました。

そのなかでも「モノが売れない時代にどうしたらいいのか悩んでいる」といった声が最も多く寄せられていたため、それをテーマの中心に掲げた内容で構成を考え、登壇していただく人選も行い、下記を今回のイベントタイトルといたしました。

“モチベーションがビジネスを変える! モノが売れない時代のコミュニケーション術”

モノが溢れ何でも手に入ってしまう現代において、生活者の求めるモノは最新技術や高スペックといった先進性だけを謳っているモノから、本質的な良さや自分が価値を見出せるモノへと興味や関心の対象が変わってきています。そのような「心の動き方」や「気持ちの作られ方」これこそが生活者を購買へと導く動機となっているとした考えのもと、フロンテッジでは「モチベーション」という言葉でこれを定義しています。

登壇した小里 玄(エグゼクティブディレクター/プランナー/フロンテッジ・モチベーション・ラボ所長)、上島 史朗(シニアクリエイティブディレクター/コピーライター)、稲垣 大地・東島 未來(フロンテッジ偏愛実験室 実験員/プランナー/コピーライター)の4名には、「モノが売れない」と言われる時代、結果を出すために必要なことは何かということを切り口に、モチベーションを起点とした考え方のコツやアイデアを生み出すポイントについてお話させていただきました。

【セクション1】 モノが売れない時代に考える、ココロを動かし、人を動かす思考術

小里 玄
エグゼクティブ・ディレクター/プランナー
フロンテッジ・モチベーション・ラボ所長

ソニーをはじめ、金融、不動産から飲料チェーン、アパレル、スポーツブランドまで幅広いフィールドで、ブランディングを起点とした幅広いソリューションにより、ビジネスサポートに貢献。

従来のアプローチをしていても今の生活者たちには届かない。デジタルの普及によって情報が溢れかえった現代において、生活者たちは外からの情報にはバリアを貼り、自らの欲求に合ったことだけを受発信するようになっている。いま必要なのは「モノの情報を伝える」ことではなく「ターゲットにとっての価値を伝える(=モチベーションを生む)」ことであり、企業の課題に対して、「ターゲット(誰を)」と「目的(どう動かすか)」を適切に設定することこそが大切。そして、ターゲットには商品やサービスに対して関心層と無関心層が存在しており、この両者にとっての価値もまた異なるものであることをしっかり理解しなければ、優れた施策や貴重な投資をおこなっても効果を出すことには繋がらないと説明。

関心層:商品やサービスの機能や効果を重視する=モノ軸が効く層。
無関心層:商品やサービスの自分にとっての価値を重視する=コト軸が効く層。

モノ軸とコト軸の違いを正しく理解した上で、ターゲットに対して適切な価値を設定し、それを伝えてあげることこそが重要であり、数々のクライアントの企業課題を解決してきたメソッド、そこには生活者のモチベーションの観点から解決策を導き出す思考術がありました。

【セクション2】 モチベーション起点のクリエイティブ Think Small. 〜気がつけば僕らは小さいほうの味方ばかりしていた〜

上島 史朗
シニアクリエイティブ・ディレクター/コピーライター
フロンテッジ・モチベーション・ラボメンバー

WEB、動画、デジタルプロモーション、リアルエクスペリエンスなど、ジャンルの垣根なく数多くの広告のクリエイティブを担当。最近では、キリン#カンパイ展をはじめ、西武・そごう「わたしは、私」、信濃毎日新聞、日清シスコ、レコチョクなどを手掛ける。過去には、nav-uのブランディング、VAIOの独立をサポート。最近は、aiboのコミュニケーションやSNSを使った横断型カテゴリーのコミュニケーションを担当。

2018年11月の第8回ベースキャンプにも登壇しており、その際は「若者の〇〇離れ」とどう向き合うかというテーマで話させていただきました。今回は、企業の課題に対しての解決策には決まった形はなく、様々なアプローチのやり方があるということを、実際に担当させていただいた6社の事例を交えてご紹介。

日本国内でリクルーティング状況向上を目指している外資の自動車機器サプライヤーBOSCHの事例では、リクルーティングの本当の課題は知名度ではなく、そこで働く社員が、自分の会社に誇りを持てるかどうかなのではないかと仮説を立て、社員が人を呼びたくなるようなカフェを本社1階につくりました。

そのカフェには、SNSで共有したくなるような様々なこだわりを詰め込んだ空間と体験をデザインし、企業の本社がある母国ドイツ由来の食事や、企業の歴史を物語るアイテムで構成。そのカフェは話題となりメディア取材数が300件を超え、インスタグラフ投稿数も1500件以上を記録、ターゲットであるリクルート対象者(20〜30代の生活者)が生活動線上で共感できるメディアにも多数取り上げられたことで、「勤務先としての企業の魅力度」に関する世界最大規模の調査「ランスタッドアワード 2016」で海外企業部門第1位を獲得し、リクルーティングにも大きな効果をもたらしました。

企業の課題に対する解決策、そのアウトプットはTVやポスターなどだけではなく、今回のBOSCHの事例のようにカフェというかたちで、誇りをデザインすることで解決することへと繋がりました。

【セクション3】 ソニーの“偏愛”をハックする

稲垣 大地、東島 未來
フロンテッジ 偏愛実験室 実験員/コピーライター

稲垣 大地
デザインプロダクションのコピーライターとしてキャリアをスタートし、就職事業会社、広告代理店の戦略プランナーを経て、現職へ。

東島 未來
グラフィック広告制作会社のコピーライターとしてキャリアをスタート。カタログ・チラシやマス広告の制作を経験した後、現職へ。

このセクションの前半では、昨今、話題になっているリカーリングやサブスクリプションに焦点をあて、どうしてもビジネスモデルやマネタイズの仕組みに注目が集まりがちだが、肝心の顧客心理に対する言及が、あまり成されていない事に着目。リカーリングという仕組みだけでは人は動かないとし、偏愛こそが燃料となり、人の行動を喚起させることを説明しました。

偏愛=ファンの心模様、熱狂
このように偏愛を定義し、ファンの心理は、それを愛せずにはいられないという何かしらの原理で動いている。“人は、いかにファンとなり、いかにファンとして居続けるのか”この動力となる偏愛を解き明かすことで、ビジネスをもっと好循環させられるのではないかという仮説のもと、5つの偏愛のツボについてご紹介させていただきました。

後半では、偏愛実験員の東島自身が絵本が好きということを例にあげ、なぜ絵本に偏愛しているのかという点を、自身の実話や体験談を交えて話させていただきました。

【まとめ】

ベースキャンプ・イベントを終えて感じたことは、私たちが思っている以上にフロンテッジという会社が持っている知見を必要としている人たちは多いのではないかという事です。メモを手に取り真剣な眼差しで登壇者の話に聞き入る来場者の姿をみて、私は強くそれを感じました。

今回のように1社が主催でベースキャンプ・イベントを開催すること自体が初めての試みでもあった為、ベースキャンプ・イベントとしても、フロンテッジとしても失敗することは許されないというプレッシャーの中で、フロンテッジとして提供出来るものは何か、来場される方達は何に興味を持ってくれるのか、そして何を伝え、何をお持ち帰りいただくべきなのかを一番に考え、テーマや登壇者の選定をはじめ構成には熟考に熟考を重ねました。

その結果、応募総数は430名を超え、当日もソニーグループ内外から多くの方が足を運んでくださいました。事後アンケートでも、「面白かった」「参考になった」などのコメントが多く寄せられ、中にはご自身の業務上での課題や悩みに対してのアドバイスを求めるコメントなどもいただきました。そのようなコメントを見ていますと、何か力になれることがあるのではないか、もっと可能性を秘めているのではないかという思いが込み上げ、ベースキャンプ・イベントだけで終わりにするのではなく、今回のような取り組みは継続して行っていくべきなのではないかと心より感じました。

最後になりましたが、登壇者をはじめ、随所でアドバイスをくださいました諸先輩方、そして最後までサポートをしてくれた仲間のみなさんに改めて感謝を述べたいと思います。本当にありがとうございました。

PROFILE

ソリューションプロデューサー

テレビCM制作を中心とした映像プロダクションに11年在籍していた経験から、映像を軸としたコンテンツのプロデュースを得意としている。現在は、WEBコンテンツやグラフィック、イベント系など、映像コンテンツに限らず幅広いプロデュース力が強み。