「恐竜をきっかけに
学びの楽しさや
発見の
喜びを
知ってもらいたい」

INTERVIEW 01 DinoScience 恐竜科学博
企画・監修

サイエンスコミュニケーター

恐竜くん(田中真士)

ララミディア大陸をテーマに、科学的な視点で恐竜の生き生きとした
実像を解き明かしていく本展を、企画・監修しているのが「恐竜くん」こと田中真士さん。
ずいぶんと親しみやすく、かわいい名前で活動しているこの人、
その実態は、16歳でカナダに単身留学し、恐竜の研究が盛んな
アルバータ大学で学んできた恐竜のスペシャリストだ。
サイエンスコミュニケーターとして、トークショーから書籍の執筆、
さらにはイラスト制作まで行い、恐竜の魅力を伝えてきた彼の
最新の知見とアイデアが惜しみなく注ぎ込まれた本展。その魅力を語ってもらった。

奇跡の化石「レイン」が来日するなんて
自分でさえも思っていなかった。

この「DinoScience 恐竜科学博」は、新しい切り口の恐竜展になっているのですよね。その中心はやはり奇跡の化石と呼ばれるトリケラトプス「レイン」でしょうか。

恐竜くん:そうですね。今回のお話をいただいた時に、まず最初にレインの実物化石を展示したいという提案をしたのですが、その時はまさか実現すると思っていませんでした。レインは2012年にヒューストン自然科学博物館で公開されてから、一度も同館を出たことがないんです。かつてララミディアで死んで、6600万年の時を超えて発掘され、アメリカのヒューストンから初めて海を越えて日本にやってくる。よくOKを出してもらえたなと思います。

トリケラトプス「レイン」という化石のすごさについて詳しく教えてもらえますか?

恐竜くん:トリケラトプス自体は非常に栄えていた恐竜で、化石の数はかなり見つかっています。一方で、鼻から尻尾の先まで全身がきれいに揃った化石となると、これは本当に数が限られている。何百というトリケラトプスの化石が発掘されているのですが、体の半分以上が残っているものなんて数えるほど。それくらいあれば、本当にラッキーという状態です。
そのなかでも、レインは特別な存在なんです。まず、骨格の保存度のパーセンテージだけで見ても史上最高のトリケラトプスです。また、化石は実は変形したり潰れたりしやすいのですが、そういったこともほとんど起こっていない。そして、何より重要なのが、本来は化石に残りにくい「皮膚」まで残されていたこと。骨格だけでもすごいのに、全身のかなりの部分の皮膚が保存されていました。言い換えれば、いままで人類が目にしたなかで最も美しいトリケラトプスの化石っていうことですね。

皮膚痕を含め、生きていたころの姿をそれだけとどめていることが「奇跡」なんですね。

恐竜くん:はい。皮膚の化石からは、骨格からだと想像しかできない恐竜の姿が見えてきます。人間の手のひらみたいな大きな鱗で体が覆われていたことや、背中とおなかでは鱗の形が違うことなど……。「こんな生き物が本当に歩き回っていたんだ」という生々しさ、リアリティを感じさせてくれるのがレインのすごいところです。レインを組み立てたブラックヒルズ地質学研究所は、生きていた時の恐竜の姿を大事に復元しています。いまある骨格のなかでも、最もトリケラトプスの実像に近いものを伝えてくれる化石だと思います。

恐竜がこの世界で生き生きと暮らしていた、
それを実感できる恐竜展に。

本展は白亜紀後期、現在の北アメリカ西部にあたる「ララミディア大陸」がテーマになっているとのことですが。

恐竜くん:レインは確かに貴重な化石ですが、僕はそのトリケラトプスが生きていた時代、彼らを取り巻く世界そのものを見てほしいんです。従来の展示では、恐竜を系統別に整理したものが主流でしたが、これだと、生息した時代や地域はバラバラになってしまいます。そのため、おそらく多くの人は、恐竜がどんな世界で、どのように生きていたのか、生き物としての姿を感じることができないままに通り過ぎてしまっている気がします。
それでこのDinoScience 恐⻯科学博では、あえて特定の時代と地域に絞って、レインが生きていたララミディア大陸について深く知ってもらいたいと考えました。

様々な化石に加えて、ソニーの最新技術を生かした大型映像では、CGで作られた非常にリアルな恐竜たちを見ることができます。

恐竜くん:映画でもテレビでも、CGの恐竜が登場すること自体はもはや珍しくありませんよね。でも、映画に出てくるのはあくまで映画のキャラクターとしての恐竜という側面が大きく、科学的な考証を重ねて作られている映像は少ないと思います。今回は「恐竜の世界を再現する」というのが本展のテーマでしたから、CGも体の造形から質感、動き方まで、徹底的に監修を入れさせてもらいました。100%ではないにしても、現時点でできる、最も恐竜の実像に近い映像を作り上げてもらったと思います。

会場の骨格と見比べてみると、さらに迫力を感じてもらえるかもしれませんね。映像では、恐竜だけでなく、当時の環境の再現にも相当力を入れているそうですね。

恐竜くん:レインと同じ時代、同じ場所にどのような恐竜がいて、どのような植物が生えていて、気候は暑かったのか涼しかったのか、カラッとしていたのか、あるいはジメッとしていたのか、とか。そういったものをちゃんと理解してもらって「確かにこの恐竜は存在したんだ。こんな世界で生き生きと暮らしていたんだ」と感じてほしい。こういう恐竜展はいままでになかったと思います。

世界の見え方が変わるような体験を
この展示で持ち帰ってもらえたら。

恐竜くんにとって、恐竜を学んでいて特におもしろいのはどんなところですか?

恐竜くん:僕はあらゆる生物について知ろうとする時、大きな柱として「進化」という概念があると思っています。いま存在している生き物も、かつて存在した恐竜たちも、この地球上の生物は例外なく進化の帰結として生まれてきたものです。この多様な進化のすさまじさ。それを一番わかりやすく体現しているもののひとつが、恐竜なんじゃないかと思うんですね。
様々な恐竜の大きさや形、能力を調べて、なぜそうなっているかを考えていくと、周りの環境やほかの生き物たちと密接に結びついていることがわかります。地球ができて46億年の歴史のなかで、その時、確かに恐竜たちは生きていた。この壮大なスケール感こそが、恐竜、ひいては進化について考えるおもしろさだと思います。

本展示は、研究や発掘の様子など、科学をエンタテインメントとして楽しんでもらうのもポイントだと思います。

恐竜くん:僕は「学問」、つまり「学ぶこと」「知ること」「挑戦すること」って、それこそ人間に与えられた最大のエンタテインメントだと思っているんですね。真実を曲げることも、大袈裟にする必要もなくて、科学を正しく伝えられていれば、それは必然的に誰もが楽しめるものになるんじゃないか。もっと言えば、この世界そのもののありようをきちんと伝えることができれば、きっと多くの人におもしろいと感じてもらえる。そう信じています。だからこそ、伝え方が大事。
同じことを伝える時に順番を少し変えるだけでも、人の驚きや発見、感じ方は変わってきます。どうやったら受け取る人にそれぞれのペースで、本当の楽しさに到達してもらえるのか。常に自分のなかで模索しながらこの企画に取り組んでいます。

最後に来場する方へ、「DinoScience 恐竜科学博」に込めた想いを聞かせてください。

恐竜くん:もちろん恐竜に興味を持ってもらえたら嬉しいのですが、さらに恐竜をきっかけにして、先ほど話したような学ぶことの楽しさや、発見の喜びを知ってもらえたらいいなと思っています。それは自分の活動の根源的なテーマでもあります。
新しく知ることで、世界は広がっていく。僕はとにかく恐竜が大好きで、恐竜が僕を連れ出してくれたおかげでたくさんの経験ができ、この企画に協力してくれた方々を含め、いろんな人と出会うことができました。「DinoScience 恐竜科学博」を通して、僕にとっての恐竜みたいに、大好きなもの、夢中になって追いかけたいと思えるものを、みんなにも見つけてほしい。展示に触れる前と後で、どこか世界の見え方が変わるような体験を持ち帰ってもらえたら嬉しいです。

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